A Cat Daydream

猫との日々、書評、映画評、プログラミング、etc…

『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』鑑賞

テキサス州下院議員のチャールズ・ウィルソン(トム・ハンクス)は酒と女が大好きで職務中にウィスキーをロックで飲み、容姿で採用した秘書を何人も周りに侍らしている破天荒な人物。ラスベガスで羽目を外したことがばれて、スキャンダルで逮捕されそうになっている。そんな中、アフガニスタンへのソ連の侵攻のニュースを見て、テキサスの富豪ジョアン(ジュリア・ロバーツ)や、型破りなCIA局員ガスト(フィリップ・シーモア・ホフマン)の協力を得て、500万ドルだった当初のアフガニスタン支援の予算を最終的に10億ドルまで増額させ、ソ連の侵攻を食い止めることに成功する。

実話が元になっている。チャーリーの秘書役でエイミー・アダムスエミリー・ブラントがちょい役で出ている。

アフガニスタンの戦争孤児を見て彼らを救いたい、と美化して描いてはいるが、戦争そのものを止めるのではなく強力な武器をアフガンに提供してソ連を退けようとするのがいかにもアメリカ的な発想だ。

映画ではアメリカからの巨額の資金が結局はイスラム過激派に流れ、911に繋がったことをほのめかしており、決してチャーリー・ウィルソンを英雄視していない。

テキサス州のいち下院議員が如何にして国会から10億ドルもの巨額の予算を拠出させたのか、その過程を政治ドラマとして映画にした方が良かった気がするが、機密でその過程は明らかにはなっていないのかもしれない。

チャーリーはあくまでノー天気に描かれ、むしろ富豪のジョアンやCIA局員が権謀術数でチャーリーを操り彼らの望む結果に導いたように見えて、映画の主軸がぼやけているように感じた。

監督は『卒業』のマイク・ニコルズでこれが遺作。マイク・ニコルズ監督作ではハリソン・フォードが出ている『ワーキング・ガール』や『心の旅』が好きだが、政治もの・戦争ものはこの監督の手腕が発揮できなかったのかもしれない。