A Cat Daydream

猫との日々、書評、映画評、プログラミング、etc…

読書

垣根涼介『ワイルド・ソウル』感想

垣根涼介の小説を初めて読んだ。大藪春彦賞を受賞したらしいが、ハードボイルド小説向けにそんな特別な賞があるとは知らなかった。今回ハードカバーのものを読んだが、2段組で500ページ以上ある大長編を一週間足らず、最後は駆け足で読了した。 あらすじ 忌…

柚月裕子『孤狼の血』感想

映画化で話題になっていたので、原作を読んでみた。 あらすじ 昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、日岡…

ピエール・ルメートル『死のドレスを花婿に』感想

ルメートルは『その女アレックス』で知った。これが非常に面白かったので、”アレックスの原点”という煽り文句の『死のドレスを花婿に』を読んでみた。 あらすじ 悪夢に苦しめられるのが怖いから、眠らない。何でも忘れてしまうから、行動を逐一メモにとる。…

フィリップ・K・ディック『空間亀裂』感想

出展:Philip K. Dick - Science Fiction Author - Official Site 図書館で借りたものを読了。ディック熱はまだ冷めやらず、マイナーな作品ばかり読み漁っている。この作品は創元SF文庫だが、すでに絶版になっているようだ。他の創元SFのディック作品も軒並…

スチュアート・ウッズ『警察署長』感想

最近ハマっていた貫井徳郎の小説の1つ『宿命と真実の炎』に、警察を退職して閑職に就いている主人公西條が無聊を慰めるために古本を読み漁っているシーンが出てくる。その中で古本屋から紹介してもらって主人公が面白いと絶賛しているのが今回のスチュアー…

フィリップ・K・ディック『ザップ・ガン』感想

出展:Philip K. Dick - Science Fiction Author - Official Site 『銀河の壺なおし』を読んで、久しぶりにディック熱が湧いてきて本棚の『ザップ・ガン』を再読。翻訳は『銀河の壺なおし』と同じ大森望氏。創元SF文庫で読んだがこれは今では絶版のようで、…

フィリップ・K・ディック『銀河の壺なおし〔新訳版〕』感想

Philip K. Dick The Official Site ジュンク堂でハヤカワSF文庫の棚を眺めていたら、フィリップ・K・ディックの見慣れないタイトルがずいぶんと増えていた。『ブレード・ランナー2049』の公開がきっかけで、もう何回目か分からないがディック作品の刊行がち…

貫井徳郎『灰色の虹』感想

冤罪事件がテーマ。 各章毎、”刑事”、”検事”、”弁護士”のタイトルがつけられ、事件発生から逮捕、判決に至るまでの過程に合わせて、過去の冤罪事件と現在の連続殺人がリンクして進む構成になっている。時系列も殺人の被害者となる人物の現在を丹念に描いた後…

『一投に賭ける』 溝口和洋、最後の無頼派アスリート 読了

先日なにげにTVを見ていたら、あの人は今、的な番組で元やり投げ選手の溝口和洋が出いていた。30年間破られていない日本記録87m60を打ち立てた後、人前から消えた彼を同じく元やり投げ選手であるタレントの照英が訪ねるという内容だった。当時、部活で陸上部…

貫井徳郎『後悔と真実の色』感想

順序が逆になったが、『宿命と真実の炎』に続いて『後悔と真実の色』読了。 若い女性が惨殺され、指が持ち去られる凶悪事件が起きる。特別捜査本部が設置され、捜査一課九係が担当となる。特別捜査本部に加わった捜査九係の面々はステレオタイプな刑事と違い…

貫井徳郎『宿命と真実の炎』感想

少し前にTVでやっていた妻夫木聡主演の『乱反射』を見てから、最近は貫井徳郎の本を読み漁っている。貫井徳郎は以前デビュー作の『慟哭』は読んでいたのだが、これ以外にもヒット作を量産しているとは知らなかった。 乱反射 (朝日文庫) 作者: 貫井徳郎 出版…